畳リビングという選択。広さよりも豊かな暮らしをつくる

query_builder 2026/07/06
ブログ

みなさん、こんにちは。
大阪・岸和田、南大阪、和歌山を拠点に「住まいに愛着を」をコンセプトに活動している I Live|田辺弘幸建築設計事務所の田辺です。


家づくりの打合せをしていると、

「もう少しリビングを広くしたい」
「和室は必要でしょうか?」


という話になることがあります。

限られた予算や敷地の中で計画する以上、少しでも広いLDKを求めるのは自然なことです。

そんな中でも私は、ときどき「畳リビング」という選択肢を提案することがあります。

それは昔ながらの和室をつくりたいからではありません。

家族が心地よく過ごせる、豊かな居場所をつくりたいからです。



畳には、使い方を決めない自由がある


ソファのあるリビングは快適です。

ただ、使い方はどうしても限定されます。

座る場所が決まり、
家具の配置が決まり、
過ごし方もある程度決まってきます。

一方で畳の空間はもっと自由です。

寝転ぶ。

床に座る。

子どもが走り回る。

友人が集まる。

昼寝をする。

洗濯物をたたむ。

特別なことではなく、日常のさまざまな場面を自然に受け止めてくれます。

用途を決めないからこそ、その時々の暮らしに寄り添ってくれるのです。



家族の変化に合わせて育つ場所


住まいは完成した瞬間がゴールではありません。

家族構成も暮らし方も、少しずつ変化していきます。

子どもが小さい頃は遊び場。

小学生になれば宿題をする場所。

来客時には客間。

時には家族みんなでゴロゴロする場所。

畳の空間は、その時々で役割を変えながら使い続けることができます。

「この部屋は何のための部屋ですか?」

そう聞かれると答えに困るかもしれません。

でも、それこそが魅力なのだと思います。



視線が低くなると、空間は広く感じる


畳リビングにはもうひとつ大きな魅力があります。

それは視線が低くなることです。

椅子やソファに座る暮らしに比べると、床に近い生活は自然と目線が下がります。

すると同じ空間でも、天井が高く感じられます。

勾配天井の広がり。

木の天井の表情。

高窓から入る光。

大きな窓の向こうに広がる景色。

視線が低くなることで、それらをより豊かに感じることができます。

実際の面積は変わらなくても、空間の感じ方は大きく変わるのです。


広さだけが豊かさではない


家づくりでは、どうしても数字が気になります。

LDKは何帖か。

収納は何㎡か。

建物全体で何坪あるか。

もちろん、それらも大切です。

ですが住み始めてから記憶に残るのは、数字ではなく居心地だったりします。

朝、窓際でコーヒーを飲む時間。

子どもが畳の上で遊んでいる風景。

休日に家族でゴロゴロ過ごす時間。

そんな何気ない日常の積み重ねが、住まいへの愛着を育てていくのだと思います。



おわりに


住宅は、ただ広ければ豊かになるわけではありません。

どれだけ気持ちよく過ごせるか。

どれだけ自然に家族が集まるか。

どれだけ長く愛着を持って暮らせるか。

その積み重ねが住まいの価値になるのだと思います。

畳リビングは、そんな豊かさを生み出すためのひとつの選択肢です。

広さを求めるのではなく、居場所をつくる。

そんな視点で家づくりを考えてみると、住まいはもっと面白くなるかもしれません。


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I Live|田辺弘幸建築設計事務所

田辺 弘幸(たなべ ひろゆき)
昭和56年12月12日生まれ
一級建築士
大阪府岸和田市生まれ


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