和室は、用途を決めない『もうひとつの居場所』

query_builder 2026/06/29
ブログ

みなさん、こんにちは。

大阪・岸和田、南大阪、和歌山を拠点に「住まいに愛着を」をコンセプトに活動している I Live|田辺弘幸建築設計事務所の田辺です。


今回ご紹介するのは、LDKとつながる和室についてです。


最近の住宅では、和室を設ける機会がずいぶん減りました。

「LDKを広くしたい」
「子ども部屋を優先したい」
「畳を使う機会が少ない」

そんな理由から、計画の中で真っ先に候補から外れることも少なくありません。


実際、家づくりの打合せでも、

「和室って必要ですか?」

と聞かれることがあります。


確かに昔のように客間として使う機会は減りましたし、仏間を設けないご家庭も増えています。

それでも私は、時々LDKの隣に和室を提案することがあります。


なぜなら和室には、仏間や客間という役割を超えた価値があると思っているからです。


用途を決めないから使いやすい


和室の良いところは、用途を限定しないことです。

子どもが小さい頃は遊び場になり、お昼寝の場所になります。

来客があれば客間として使えますし、親族が集まれば食事を囲む場所にもなります。

洗濯物をたたんだり、本を読んだり、時には仕事をしたり。

何か特別な目的があるわけではないけれど、気がつけば使っている。

そんな空間が和室です。

用途を決めすぎないからこそ、暮らしの変化に柔軟に対応することができます。


LDKとつながる和室


私が和室を提案する場合、多くはLDKと隣接して計画します。

普段は建具を開け放ち、リビングの延長として使う。

来客時や集中したい時だけ仕切る。

それだけで空間の使い方に大きな幅が生まれます。

大きなリビングをひとつつくるのではなく、少し性格の異なる場所を隣に設ける。

そうすることで、家の中に複数の居場所が生まれます。

ソファでくつろぐ場所。

ダイニングで食事をする場所。

そして畳の上でゆっくり過ごす場所。

同じ家の中でも、その時の気分によって過ごす場所を選べることは、思っている以上に豊かなことだと感じています。





畳の上だから生まれる心地よさ


畳には独特の居心地があります。

椅子に座るのとは違い、床に近い目線で過ごす安心感があります。

ごろんと横になることもできますし、子どもが遊んでいても安心です。

障子越しに入る柔らかな光や、い草の香りに心が落ち着くという方も多いのではないでしょうか。

特別な家具がなくても成立する空間。

ただ座っているだけで落ち着く空間。

そんな場所が家の中にひとつあるだけで、暮らしは少し豊かになります。


暮らしの変化を受け止める余白


住宅は完成した時がゴールではありません。

子どもが成長し、家族構成が変わり、暮らし方も変わっていきます。

若い頃には必要なかった部屋が、将来必要になることもあります。

逆に、今必要だと思っていた部屋が使われなくなることもあります。

だからこそ住宅には、変化を受け止める余白が必要です。

和室は、その時々の暮らしに合わせて役割を変えることができる空間です。

子どもの遊び場から勉強部屋へ。

客間から寝室へ。

家族の成長や暮らし方に合わせて姿を変えていくことができます。

私はそんな和室を、「用途を決めない部屋」だと思っています。


居場所が増えると暮らしは豊かになる


住宅設計では、どうしても面積や部屋数に目が向きがちです。

ですが本当に大切なのは、家の中にどれだけ心地よい居場所があるかではないでしょうか。

和室は仏間のためだけの部屋ではありません。

来客のためだけの部屋でもありません。

家族が思い思いに過ごせる場所。

暮らしの変化を受け止める場所。

そして家の中の「もうひとつの居場所」。

和室が減りつつある今だからこそ、その価値を改めて見直してみても良いのではないかと思っています。


今回ご紹介した住まいでも、LDKとつながる和室を設けています。


普段は家族の居場所として、必要な時には客間として。

用途を決めすぎないからこそ、長く愛着を持って使い続けることができる。

そんな住まいづくりを、これからも大切にしていきたいと思います。


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I Live|田辺弘幸建築設計事務所

田辺 弘幸(たなべ ひろゆき)
昭和56年12月12日生まれ
一級建築士
大阪府岸和田市生まれ


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