客間をつくらないという選択|畳スペースが暮らしに余白をつくる

query_builder 2026/08/17
ブログ

みなさん、こんにちは。
大阪・岸和田、南大阪、和歌山を拠点に『住まいに愛着を』をコンセプトに活動している I Live|田辺弘幸建築設計事務所の田辺です。


住宅の間取りを考えていると、

「両親や友人が泊まりに来たときのために、客間がほしい」

というご要望をいただくことがあります。


もちろん、来客が多いご家庭であれば、独立した客間を設けるのもひとつの方法です。

ただ、年に数回使うためだけの部屋を一室つくるとなると、限られた床面積の中では少しもったいないこともあります。


そこで私たちがよく考えるのが、

「客間をつくる」のではなく、「必要なときに客間として使える場所をつくる」

という考え方です。


そのひとつが、リビングに設ける畳のスペースです。


普段は家族がくつろぐ畳のリビング


写真の住まいでは、リビングの一角にまとまった畳スペースを設けています。


ソファに座って過ごすのとは少し違い、畳ならそのまま腰を下ろしたり、寝転んだりできます。

本を読んだり、子どもと遊んだり、少し昼寝をしたり。

家族が集まってゆっくり過ごす場所として、普段から自然に使うことができます。

畳の空間の良さは、「ここではこれをする」と使い方を決めすぎなくてもよいところにあると思います。



布団を敷けば、そのまま客間に


そして、ご両親や友人が泊まりに来たときには、畳の上に布団を敷けば、そのまま寝る場所になります。


普段は家族のリビング。

来客時には客間。

一つの空間に複数の役割を持たせることで、床面積を有効に使うことができます。


住宅を広くすれば、もちろん部屋を増やすことはできます。

しかし、建築費が上がっている今、ただ部屋数や面積を増やしていくのではなく、一つの場所をどれだけ豊かに使えるかを考えることも大切です。



「何の部屋か」を決めすぎない


住宅の間取り図を見ると、

リビング
ダイニング
寝室
子ども部屋
客間

と、それぞれの場所に名前がついています。


ただ、実際の暮らしはそこまで明確に分けられるものではありません。

子どもが小さい頃は遊び場だった場所が、成長すると読書や勉強をする場所になる。

休日には家族が寝転んで過ごし、お盆やお正月には親族が集まる場所になる。


そして、誰かが泊まりに来れば寝室になる。

暮らしは時間とともに変化していきます。

だからこそ、「何をする部屋か」を決めすぎない場所をつくっておくことが、長く住み続けられる家につながると考えています。


畳は現代の住宅にも相性がいい


「畳」というと、昔ながらの和室をイメージされる方も多いかもしれません。

しかし、必ずしも襖で仕切られた独立した和室にする必要はありません。


写真のようにリビングの一部として畳を取り入れることで、現代的な空間にも自然になじみます。

木の床と畳。

木の柱や梁。

やわらかな壁の色。


素材同士の相性もよく、落ち着きのある空間になります。

和室を一室つくるというよりも、暮らしの中に畳の居場所をつくるという感覚に近いかもしれません。



暮らしに「余白」をつくる


住宅では、部屋数が多いことだけが豊かさではないと思っています。


家族構成や生活スタイルは、10年、20年と暮らしていく中で変わります。

その変化に合わせて、いろいろな使い方ができる場所がある。

それも住宅の大切な価値のひとつです。


普段は家族がくつろぐ場所。

子どもが遊ぶ場所。

少し昼寝をする場所。

お盆やお正月には家族が集まる場所。

そして、ご両親や友人が泊まりに来た日は、布団を敷いて客間に。


「客間を一室つくる」のではなく、「必要なときに客間になる場所をつくる」。


用途を決めすぎない畳のスペースがあることで、暮らしに少し余白が生まれます。

家づくりの間取りを考える際の、ひとつの選択肢として参考にしていただければと思います。


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I Live|田辺弘幸建築設計事務所

田辺 弘幸(たなべ ひろゆき)
昭和56年12月12日生まれ
一級建築士
大阪府岸和田市生まれ


設計事例はこちらをご覧ください


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