住宅のファーストプレゼンで大切にしていること

query_builder 2026/05/24
ブログ

みなさん、こんにちは。
大阪・岸和田、南大阪、和歌山を拠点に「住まいに愛着を」をコンセプトに活動している I Live|田辺弘幸建築設計事務所の田辺です。


先日、ご相談いただいている住宅のファーストプレゼンを行いました。


住宅の設計では、最初にご要望をお伺いし、敷地の条件や周辺環境、ご家族の暮らし方、将来の変化などを踏まえながら、最初の提案を考えていきます。


この最初の提案を、私たちは「ファーストプレゼン」と呼んでいます。


ファーストプレゼンは、家づくりの方向性を考えるうえで、とても大切な時間です。


ファーストプレゼンで考えていること


住宅の計画では、まずお施主様からさまざまなご要望をお聞きします。

どのような暮らしをしたいのか。
家族がどのように過ごすのか。
どこに光を入れたいのか。
外からの視線をどう考えるのか。
将来の暮らし方にどう対応するのか。


そうしたご要望を整理しながら、敷地の条件と重ね合わせていきます。


敷地には、それぞれ特徴があります。

道路との関係、隣地との距離、光の入り方、風の抜け方、周辺の建物の高さ、外からの見え方など、図面上の寸法だけでは分からない要素も多くあります。

それらを読み取りながら、この場所でどのような住まいが良いのかを考えていきます。


図面だけでは伝わりにくいこと


ファーストプレゼンでは、平面図や立面図などの図面を使って説明します。

図面は、住宅を考えるうえでとても大切なものです。
部屋の配置、動線、寸法、建物の構成などを確認するためには欠かせません。

ただ、図面だけではどうしても伝わりにくい部分があります。


空間の広がり。
天井の高さ。
部屋と部屋のつながり。
窓から見える景色。
階段や吹き抜けの感じ。
外部空間との関係。


図面を見慣れていない方にとっては、平面図から実際の空間を想像するのはなかなか難しいことだと思います。

そのため、主要な部分についてはパースを作成し、室内の雰囲気や外観の見え方を確認できるようにしています。


模型で立体的にイメージを共有する


図面やパースも大切ですが、やはり一番わかりやすいのは模型だと感じています。

模型は、建物を立体として見ることができます。

上からのぞき込むと、部屋と部屋のつながりが見えます。
横から見ると、建物の高さやボリュームが分かります。
少し角度を変えるだけで、光の入り方や空間の抜け感も感じやすくなります。

図面ではイメージしにくかった部分が、模型を見ることで「ああ、こういうことか」と伝わることがあります。


また、模型には単純に楽しい魅力があります。

ミニチュアのように家の形が見えることで、これからできる住まいへの期待感が少し高まります。


お施主様が模型をのぞき込みながら、
「ここはこうなっているんですね」
「この空間は気持ちよさそうですね」
と話してくださる時間は、家づくりが具体的に動き出したように感じる瞬間です。


最初から予算に合わせすぎない理由


ファーストプレゼンで大切にしていることがもうひとつあります。

それは、最初から予算に収めることだけを目的にしすぎないということです。


もちろん、予算はとても大切です。


住宅の設計において、工事費や全体予算を考えることは避けて通れません。

ただ、お施主様のご要望をひとつひとつ積み上げていくと、多くの場合、ご予算を上回ることがあります。


そのとき、最初から予算だけを優先して削ってしまうと、どうしても小さくまとまった提案になってしまうことがあります。


せっかく設計事務所にご相談いただいたからには、まずは敷地とご要望に対して、自分たちがベストだと考える案を提案したいと思っています。


予算を無視するということではありません。


予算のことも頭に置きながら、それでもまずは、
「この敷地で、このご家族にとって、こういう住まいが良いのではないか」
と思える案を考える。


一度、納得できるところまで検討したうえで提案する。


そのうえで、何を大切にするのか。
どこを調整するのか。
何を残し、何を見直すのか。


優先順位を一緒に整理しながら、ご予算に近づけていく流れを大切にしています。


ファーストプレゼンは完成形ではなく、出発点


ファーストプレゼンは、最初から正解を一発で出す場ではありません。

むしろ、これから一緒に考えていくための出発点だと思っています。


提案を見ながら、
「ここは好き」
「ここは少し違う」
「この考え方はおもしろい」
「ここはもう少し現実的にしたい」

そういったやり取りを重ねることで、住まいの輪郭が少しずつはっきりしていきます。


図面を描くこと。
パースをつくること。
模型をつくること。


それらは、単に見せるための資料ではありません。

お施主様と一緒に考えるための道具です。


家づくりの可能性を共有する時間


住宅のファーストプレゼンで大切にしているのは、きれいに整った案を見せることだけではありません。


ご要望を受け止めたうえで、まずは住まいの可能性を広げること。
暮らしのイメージを共有すること。
そして、これから一緒に考えていける土台をつくること。


そのために、図面だけでなく、パースや模型も使いながら、できるだけわかりやすく伝えるようにしています。

家づくりは、最初からすべてが決まっているわけではありません。

打ち合わせを重ね、現実的な条件と向き合いながら、そのご家族らしい住まいへと少しずつ育てていくものです。


ファーストプレゼンは、その最初の大きな節目です。


これからも、一つひとつのご相談に対して、丁寧に考え、丁寧に伝えることを大切にしていきたいと思います。


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I Live|田辺弘幸建築設計事務所

田辺 弘幸(たなべ ひろゆき)
昭和56年12月12日生まれ
一級建築士
大阪府岸和田市生まれ


設計事例はこちらをご覧ください


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