コストを下げても、暮らしの質は下げたくない

query_builder 2026/05/18
ブログ

みなさん、こんにちは。
大阪・岸和田、南大阪、和歌山を拠点に「住まいに愛着を」をコンセプトに活動している I Live|田辺弘幸建築設計事務所の田辺です。


最近、家づくりの相談でよく感じるのが、「予算との向き合い方」の難しさです。

建築費の高騰もあり、「思っていたより金額が上がった」「少し予算を見直したい」という話は珍しくありません。


家づくりでは、多くの場合どこかで減額調整が必要になります。

ただ、そんな時に私がいつも思うことがあります。

「コストを下げても、暮らしの質までは下げたくない」

ということです。


今回は、住宅設計の中で、予算調整をしてもできるだけ削りたくない部分について、設計者の視点から書いてみたいと思います。


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コスト調整は「何を削るか」より「何を残すか」
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家づくりで予算オーバーになった時、多くの場合「どこを削ろうか」という話になります。

設備を見直す。
部屋を少し小さくする。
仕様を整理する。

どれも必要な判断です。

ただ、「とにかく安くする」が目的になると、住み始めてから後悔につながることがあります。

家は毎日使う場所です。

居心地の良さ。
落ち着く感覚。
日々の小さなストレスの少なさ。

そうした積み重ねは、住み始めてから何十年も続いていきます。

だからこそ、私は「暮らしの質に関わる部分」は慎重に考えたいと思っています。


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性能は“過剰”ではなく“適正”に
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最近は住宅性能への関心も高く、断熱や気密、窓性能の話題をよく耳にします。

もちろん、性能は大切です。

夏に暑すぎる。
冬に寒い。
冷暖房が効きにくい。

そういった環境は、毎日の小さなストレスになります。

ただ、私は「とにかく高性能を目指せば良い」とも考えていません。

数値だけを追いかけ、必要以上にコストをかけることが、必ずしも暮らしの満足につながるわけではないからです。

大切なのは、その地域、その家族、その予算に対して“適正”な性能を考えること。

例えば南大阪の気候なら、北海道のような断熱性能をそのまま目指す必要はないかもしれません。

軒を深くする。
窓の位置を工夫する。
風が抜ける計画を考える。

設計によって快適性を高める方法もあります。

ただ一方で、断熱材や窓性能は住み始めてから簡単に変えにくい部分でもあります。

だからこそ、減額調整の時にも慎重に考えたい部分です。


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「窓の位置」は広さ以上に暮らしを変える
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「少しでも広い家にしたい」

これは多くの方が考えることです。

ただ、実際の居心地は、単純に面積だけで決まるわけではありません。

同じ広さでも、

空が見える窓がある。
庭につながる。
視線が気持ちよく抜ける。

それだけで、実際以上に広く感じることがあります。

逆に、大きな窓をつくっても隣家が近く、結局カーテンを閉めっぱなしでは、少しもったいない。

私は「窓は数ではなく位置」だと思っています。

視線や景色をどう取り込むか。

これは、減額調整をしてもできるだけ守りたい部分のひとつです。


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外構は「最後」ではなく、暮らしの一部
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予算調整の中で、後回しになりやすいのが外構です。

でも、本当は外構も暮らしの質に大きく関わります。

木を一本植える。
視線を少し和らげる。
玄関までのアプローチを整える。

それだけでも、家の居心地は変わります。

外構が整っていないことで、「視線が気になってカーテンを閉めっぱなし」という家も少なくありません。

家の中だけではなく、外との関係まで含めて設計する。

それが、心地よい暮らしにつながると思っています。


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小さくても「余白」は残したい
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減額調整の際、面積を少しコンパクトにすることはよくあります。

それ自体は悪いことではありません。

ただ、「効率」だけを優先すると、家が窮屈になることがあります。

少し座れる場所。
庭を眺める窓辺。
本を読むための小さなスペース。

そんな小さな“余白”が、暮らしに豊かさを与えてくれることがあります。

大きな家でなくてもいい。

でも、気持ちに余裕が生まれる場所は残したい。

私はそう考えています。


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コストを下げても、暮らしの質は下げたくない
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家づくりでは、予算とのバランスは避けて通れません。

だからこそ、「何を削るか」だけではなく、「何を残すか」を考えることが大切だと思っています。

設計の役割は、限られた予算の中で、暮らしの質を守ること。

ただ安くするのではなく、住んでから「この家、やっぱりいいな」と思えること。

そんな住まいを、一緒につくっていけたらと思います。


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I Live|田辺弘幸建築設計事務所

田辺 弘幸(たなべ ひろゆき)
昭和56年12月12日生まれ
一級建築士
大阪府岸和田市生まれ


設計事例はこちらをご覧ください


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