紀州材を使った家づくり|地元の素材と職人との協働

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ブログ

みなさん、こんにちは。
大阪・岸和田を拠点に「住まいに愛着を」をコンセプトに活動している I Live|田辺弘幸建築設計事務所の田辺です。


今回は、地元・紀州の木材を活かした家づくりについて、「海南の家」を事例にご紹介します。自然に寄り添いながら、地域の素材と職人の技を丁寧につなげてかたちにした住まいです。



地元の木を使うという選択


「海南の家」は、和歌山県・海南市の小高い丘の上に建つ住宅です。周囲には豊かな自然が広がり、海からの風が心地よく抜けるこの土地にふさわしい住まいを目指しました。

その中でひとつの大きな選択が、構造材に紀州材を使うことでした。
紀州材は、和歌山の山林で育てられたスギやヒノキを中心とした国産材。温暖な気候で育った紀州材は、年輪が詰まり、強度が高く、香りや色味も優しいのが特徴です。構造的にも信頼できる素材でありながら、住む人の五感にもやさしく働きかけてくれます。

また、地元で育った木を使うことは、単に「近くの木を使う」ということではなく、地域の森林を守り、地元の林業や製材業を支えることにもつながります。このような視点も、私たちが家づくりのなかで大切にしていることです。



職人との協働が生み出すかたち


材料が地元産であることと同じくらい大切なのが、それを扱う人の存在です。

「海南の家」では、紀州材を知り尽くした地元の大工さんとともに、一本一本の木のクセや表情を見ながら、手刻みで構造材を仕上げてもらいました。プレカットでは表現しきれない納まりや、美しい仕口(しくち)・継手が、家の骨格に静かに息づいています。


また、庇の軒天には杉板を張り、自然の陰影を生かした落ち着きのある外観に仕上げました。外構には庵治石の石積みを取り入れ、こちらも地元の石工さんに丁寧に積んでいただいています。職人の手仕事には、時間を重ねた分だけ、素材の良さを引き出す力があると、改めて感じた現場でした。


暮らしの中で育つ“地域とのつながり”


地元の木、地元の職人、そして地元の風景。これらがひとつにつながることで、その家は単なる「建物」ではなく、暮らしの風土に根差した「場」になります。


完成したばかりの家は、まだまっさらで、少し緊張感があるかもしれません。でも、住み手が日々の暮らしを積み重ねるうちに、木の色は少しずつ飴色になり、手仕事の跡が馴染んでいく。そうやって、時間とともに“育っていく家”になるのです。

紀州材を使った「海南の家」には、そんな家の成長を楽しむ余白があります。



未来につながる建築のかたち


私たち I Live|田辺弘幸建築設計事務所では、建物をただ「設計」するのではなく、素材を選び、人と関係を結びながら、丁寧にかたちにするプロセスこそが家づくりだと考えています


地元の山、地元の人、そして未来の暮らしとつながる家づくり。
「海南の家」での経験は、その思いをあらためて強くしてくれるものでした。




ご興味ある方は、ぜひ実例写真や詳細もご覧いただければ嬉しいです。
今後も地域に根ざした家づくりについて、少しずつ発信していきたいと思います。




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I Live|田辺弘幸建築設計事務所

田辺 弘幸(たなべ ひろゆき)
昭和56年12月12日生まれ
一級建築士
大阪府岸和田市生まれ


設計事例はこちらをご覧ください


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