家づくりは、これからの「生き方」をデザインすること。

query_builder 2026/03/04
ブログ

みなさん、こんにちは。
大阪・岸和田、南大阪、和歌山を拠点に『住まいに愛着を』をコンセプトに活動している I Live|田辺弘幸建築設計事務所の田辺です。


家を建てる、あるいは家づくりを考え始めるとき、多くの方がまず思い浮かべるのは、間取りや設備のことではないでしょうか。
「LDKは何帖ほしい」「収納は多めがいい」「キッチンは対面がいい」など、住まいの計画はどうしても“形”の話から始まりやすいものです。


もちろん、それらは暮らしやすさに直結する大切な要素です。
ただ、家づくりで本当に大切なのは、「どんな箱をつくるか」だけではありません。
もっと大切なのは、「その家の中で、どんな時間を過ごしたいか」ということです。


私は、家づくりとは、これからの自分たちの「生き方」そのものをデザインするプロセスだと思っています。
どんな朝を迎えたいのか。
どんな時間に安心したいのか。
誰と、どんな距離感で暮らしたいのか。
そうした日々の積み重ねを考えることが、住まいを考えることの本質ではないでしょうか。


なぜ「間取り」より先に「生き方」なのか


家づくりでは、つい「何を入れるか」「どれを選ぶか」という話になりがちです。
けれど、最新のキッチンや広いリビング、便利な設備も、あくまで理想の暮らしを叶えるための手段です。
手段ばかりを先に考えてしまうと、本来の目的が見えにくくなってしまいます。


たとえば、広いリビングが欲しいと思っていても、その理由が「家族で同じ空間にいたい」のか、「来客を招いて過ごしたい」のかで、求める空間のあり方は変わります。
書斎が欲しいという希望も、「仕事に集中したい」のか、「ひとりで考えを整理する場所がほしい」のかで、必要な環境は違ってきます。


さらに、今の暮らし方はこれから先もずっと同じとは限りません。
働き方も変わりますし、家族との距離感も変わります。
子どもの成長、趣味の変化、年齢による体力の変化など、暮らしは少しずつ動いていきます。


だからこそ、家づくりでは「建物」というハードから考えるのではなく、その中で営まれる「暮らし」というソフトから考えることが大切です。
どんな生活を送りたいのかが見えてくると、必要な間取りや設備も、自然と輪郭がはっきりしてきます。


「生き方」をデザインするための3つの問いかけ


では、自分たちらしい家づくりを考えるには、何から始めればいいのでしょうか。
おすすめしたいのは、間取りを考える前に、まず自分たちの暮らしに問いを立ててみることです。


ひとつ目は、「朝、どんな気持ちで目覚めたいか?」という問いです。


すっきりとした静かな朝がいいのか。
やわらかな光が差し込む中で、一日を始めたいのか。
家族の気配を感じながら安心して起きたいのか。
この問いを考えるだけでも、寝室の位置、窓の取り方、光の入り方、空間同士の距離感が変わってきます。


ふたつ目は、「一番リラックスできるのは、何をしている時か?」という問いです。


料理をしている時間に落ち着く人もいれば、ソファで読書をしている時間が好きな人もいます。
庭の手入れをしている時間、コーヒーを飲みながらぼんやりしている時間、晩酌をしながら一日を締めくくる時間。
何をしている時に自分が整うのかを考えると、その人にとって本当に必要な居場所が見えてきます。


みっつ目は、「10年後、この家でどんな会話をしていたいか?」という問いです。


子どもの成長について話しているかもしれません。
夫婦で共通の趣味を楽しんでいるかもしれません。
友人を招いて、にぎやかな時間を過ごしているかもしれません。
未来の会話を想像すると、その家で育てたい関係性や、積み重ねていきたい時間の質が少しずつ見えてきます。

家づくりは、目の前の要望を整理するだけではなく、少し先の自分たちを想像する作業でもあります。
この問いかけを通して、住まいの解像度はぐっと上がっていきます。


価値観が反映された家づくりの具体例


こうした「生き方」の視点は、住まいの形にちゃんと表れてきます。


たとえば、「つながり」を大切にする人なら、あえて個室を増やしすぎず、家族が自然に同じ空間で過ごせるオープンな平屋が合うかもしれません。
廊下をできるだけ減らし、LDKを家の中心に置くことで、それぞれが別のことをしていても、気配がつながる住まいになります。


「自己研鑽」を大切にする人なら、書斎を中心に考えた家が合うかもしれません。
ただ閉じた部屋をつくるだけではなく、集中できる環境と、ふっと力を抜ける余白の両方を整えることが大切です。
窓の位置、視線の抜け、こもれる場所と開ける場所のバランスによって、思考が深まる空間になります。


「自然との共生」を大切にする人なら、内と外がゆるやかにつながる住まいがしっくりくるかもしれません。
土間やデッキ、庭とのつながりを意識し、季節の変化や光、風を日常の中に取り込む。
外をただ眺めるのではなく、暮らしの一部として自然と関われるようにすることで、住まいはより豊かなものになります。


ここで大事なのは、正解の形がひとつではないということです。
同じ広さ、同じ予算でも、どんな価値観を大切にするかで、住まいの答えはまったく変わります。
だからこそ、間取りの前に「どう生きたいか」を考える意味があります。


設計事務所選びは、「価値観をかたちにする伴走者」探し


家づくりでは、性能や予算、仕様の比較ももちろん大切です。
ただ、設計事務所に依頼する場合、それ以上に大切なのは、「どんな暮らしをしたいのか」という想いに、どれだけ丁寧に向き合ってくれるかだと思います。


設計事務所の役割は、要望をそのまま図面に置き換えることだけではありません。
まだ言葉になっていない理想や、ぼんやりと感じている心地よさを一緒に整理しながら、その人らしい暮らしのかたちを探していくことにあります。


「広いリビングがほしい」「書斎がほしい」といった要望も、なぜそうしたいのかを掘り下げていくと、その奥にある価値観が見えてきます。
家族の気配を感じながら過ごしたいのか。
ひとりで静かに整う時間を大切にしたいのか。
自然を身近に感じながら暮らしたいのか。
その根っこの部分まで一緒に考えられる相手かどうかで、家づくりの深さは大きく変わります。


だからこそ、設計事務所を選ぶときは、実績やデザインの好みだけでなく、対話のしやすさも大切です。
こちらの話をよく聞いてくれるか。
要望を表面的に受け取るだけでなく、その背景まで関心を持ってくれるか。
こちらの「こう暮らしたい」を、面白がりながら一緒に育ててくれるか。


設計事務所選びは、単に設計者を探すことではなく、自分たちの価値観を受け止め、それを空間として一緒に育ててくれる伴走者を見つけること。
それが、納得のいく家づくりにつながっていくのだと思います。


まとめ


家づくりは、間取りや設備を整えることだけではありません。
それは、自分たちのこれからの暮らしに向き合い、「どんな時間を生きていきたいか」を考える機会でもあります。


どんな朝を迎えたいのか。
どんな時間に安心したいのか。
誰と、どんな距離感で暮らしたいのか。


そうした問いに向き合うことは、自分たちの内面と向き合うことでもあります。


だから私は、家づくりは「最高の自己対話」だと思っています。
完成したら終わりではなく、そこから新しい暮らしが始まり、その家とともに日々が積み重なっていく。
住まいは、人生の背景ではなく、生き方を支える大切な舞台です。


これから家づくりを考える方には、ぜひ「どんな家にするか」だけでなく、「この家で、どんなふうに生きていきたいか」を考えてみてほしいと思います。


あなたは、どんな明日をデザインしたいですか?


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I Live|田辺弘幸建築設計事務所

田辺 弘幸(たなべ ひろゆき)
昭和56年12月12日生まれ
一級建築士
大阪府岸和田市生まれ


設計事例はこちらをご覧ください


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