【事務所ビル】定期報告の対象が拡大|期限後でも提出できる?実務のポイント

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みなさん、こんにちは。
大阪・岸和田、南大阪、和歌山を拠点に『住まいに愛着を』をコンセプトに活動している I Live|田辺弘幸建築設計事務所の田辺です。

今回は、事務所ビルの定期報告について、最近いただいた相談をきっかけに、実務で押さえておきたいポイントをまとめます。



事務所ビルの所有者の方から、定期報告の相談が増えている


先日、事務所ビルをお持ちの方から「定期報告が新たに必要になったみたいで…」とご相談をいただきました。
既存の建物は、長年の運用のなかで

・増築部と既存部がつながっている
・バルコニーのはずが室内化されている
・当初の図面と現況が一致していない

といった“履歴”が積み重なりやすく、いざ定期報告となると、どこから手を付ければよいか悩まれることが多い印象です。



昨年の改正で「事務所等」の定期報告対象が大幅に拡大


背景として、「事務所その他これに類する用途」の定期報告対象が拡大されました。
大阪府の案内でも、対象規模の考え方や対象となる市町村が示されています(詳細は所管行政の情報が確実です)。
参考:大阪府「定期報告対象建築物の拡大について」


https://www.pref.osaka.lg.jp/o130190/kenshi_anzen/teiho/r70401.html

つまり、これまで対象外だった規模でも、条件によっては新たに定期報告が必要になるケースが出てきます。
制度変更のタイミングで「急に必要になった」と感じるのは、まさにこの部分が理由です。



事務所の報告期限(昨年末)を過ぎても、報告はできる


ここは誤解されやすいのですが、実務の感覚としては、「期限を過ぎた=もう出せない」ではありません。
もちろん期限内提出が原則ですが、期限を過ぎてしまった場合でも、遅れてでも提出して“現状を公式に整理する”ことが大切です。

特に今回のように、制度変更で「初めて対象になった」場合は、準備(図面の整理、現況確認、調査者の手配など)に時間がかかることもあります。
焦って中途半端に進めるより、段取りを組み直して提出まで持っていく方が、結果的に安全です。



法令違反状態があっても「現状を報告」し、将来の是正方針を示すことが求められる


相談で一番大きかったのがここです。
増築のつながり方や室内化などがあると、「違反があるなら報告したらまずいのでは…」と不安になりますよね。

ただ、定期報告は本来、建物の現状を把握し、安全面の課題を整理するための制度です。
そのため、法令違反の可能性がある場合でも、現況を正確に報告したうえで、将来的にどう是正していくかの方針を示す、という考え方が現実的になります。

そして重要なのは、**「定期報告=その場で直ちに是正命令が出る」**という性質のものでは基本的にありません。
(もちろん、明らかに危険性が高い事項や、防災上の重要部分に関わる内容は別で、優先度を上げて対応を検討する必要があります。)



実務のポイント:まず“現況把握”→優先順位→是正のロードマップ


不備が複数ある建物ほど、最初の一歩はシンプルにした方が進みます。


1)現況を正確に把握する(図面・確認履歴・改修履歴・使い方の整理)
2)報告に必要な範囲と内容を整理する(対象用途・面積・階の扱いなど)
3)危険性や影響度で優先順位を付ける(すぐに対応すべきこと/計画的に是正すること)
4)将来の是正方針(ロードマップ)を作る(段階的に整える前提で現実的に)


今回も、方向性の整理のために指導課さんから実務上の考え方を教えていただき、所有者の方が「やるべき順番」を掴めたのが大きかったと思います。



まとめ


事務所ビルの定期報告は、昨年の制度変更で対象が広がり、これまで関係なかった方にも急に関わってくるテーマになりました。
期限を過ぎてしまっても、遅れてでも提出して現状を整理することは可能です。
そして、仮に法令違反の可能性があるとしても、まずは現況を正確に示し、将来的な是正方針を立てることが、実務としての第一歩になります。

「うちも対象かもしれない」「図面と現況が違っていて不安」という場合は、建物ごとに前提条件が違うので、早めに整理から入るのがおすすめです。

※本記事は一般的な情報整理であり、最終判断は所管行政・審査機関等の見解に従ってください。


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I Live|田辺弘幸建築設計事務所

田辺 弘幸(たなべ ひろゆき)
昭和56年12月12日生まれ
一級建築士
大阪府岸和田市生まれ


設計事例はこちらをご覧ください


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