みなさん、こんにちは。
大阪・岸和田、南大阪、和歌山を拠点に『住まいに愛着を』をコンセプトに活動している I Live｜田辺弘幸建築設計事務所の田辺です。

現在、地元のコミュニティセンターの現場では基礎工事が進行しています。
建物の位置を正確に確認することから始まり、鉄筋の配筋やアンカーボルトの位置、コンクリート打設前のごみや土の混入がないかなど、細かな点を一つひとつ確認していきます。これらはどれも建物の「見えなくなる部分」ですが、構造の安全性を支える最も重要な工程です。

特に基礎は、建物全体を支える“足元”であり、少しの誤差や見落としが後々の仕上げや耐久性に大きく影響します。設計者として、図面通りに施工されているかを確認するだけでなく、現場の職人さんと対話しながら、実際の納まりや施工手順が適切かどうかを常に確かめます。たとえば鉄筋のかぶり厚（コンクリートとの間隔）が不足していないか、型枠の通りが出ているかなど、細部に目を配ることが監理の役割です。

コンクリートを打設する日は特に緊張感があります。天候や気温によって打設のタイミングや硬化のスピードも変わるため、現場では職人たちが息を合わせて作業を進めます。その姿を見るたびに、建築が多くの人の手で丁寧に積み上げられていくことを実感します。

建築の現場監理は、単なる「チェック業務」ではなく、設計者の意図を形にし、安心して使える建物をつくるための責任ある行為です。完成したときの美しさや使いやすさは、こうした見えない工程の積み重ねによって支えられています。

これから立ち上がっていく建物の姿を楽しみにしつつ、引き続き丁寧に現場を見守っていきたいと思います。