階段はただの移動空間じゃない|光・風・視線を導く設計術

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ブログ

みなさん、こんにちは。
大阪・岸和田を拠点に「住まいに愛着を」をコンセプトに活動している I Live|田辺弘幸建築設計事務所の田辺です。


今回は、「階段」の可能性について掘り下げます。単なる移動のための設備としてではなく、空間をつなぎ、光や風を招き入れ、人と人との関係性まで育む装置としての階段。その可能性を広げた2つの事例をご紹介します。



■ 光を上から引き込む|「仲間が集う寄合の家」の階段


限られた敷地条件の中で、建物中央に階段室を配置し、その上部にトップライトを設けました。天窓から降り注ぐ自然光が階段を介して下階へと導かれ、家全体に心地よい明るさをもたらしています。


階段は吹き抜けを貫いて設けられており、空間全体がゆるやかにつながる構成。通路でありながら、光の筒のような役割を果たし、同時に家族の気配や声も柔らかく伝える場になっています。




■ 通り庭に仕掛ける|「庭間の家」の階段



もうひとつの事例は、「通り庭」に設けた階段です。この家では1階にLDKと水廻り、2階に各個室とセカンドリビングを配置し、それらを縦につなぐ階段室がそのまま『通り庭』として計画されています。

この『通り庭』は、外部に面しながらも内なる空間として機能します。人通りの多い道路に面しながらも、半屋外のような構えでプライバシーを守りつつ、光や風を積極的に取り込みます。通風・採光の機能だけでなく、まちや母屋とのゆるやかな接点となり、暮らしと地域をさりげなく結びつけています。




■ 「階段」は空間のハブ


この2つの事例からも分かるように、階段は単なる動線ではなく、空間同士、住まいと外部、家族とまちとを“つなぐ”装置です。

  • 光を取り込み、風を通す。

  • 視線を導き、居場所をつくる。

  • 時に“抜け”として、時に“こもり”として働く。

階段をどう設けるかで、暮らしの質は大きく変わります。次に住まいを計画する時は、階段をただの通路としてではなく、“暮らしの中心”として設計してみませんか。


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I Live|田辺弘幸建築設計事務所

田辺 弘幸(たなべ ひろゆき)
昭和56年12月12日生まれ
一級建築士
大阪府岸和田市生まれ


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