岸和田で注文住宅を建てるなら知っておきたい5つのポイント

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みなさん、こんばんは。
大阪、岸和田、南大阪、和歌山を拠点に「住まいに愛着を」をコンセプトに、住まうごとに味わいが増す家づくりを目指しているI Live|田辺弘幸建築設計事務所の田辺です。


私たちはこれまでに、岸和田市内でも多くの住宅設計を手がけてきました。


今回はその経験をもとに、岸和田で注文住宅を建てる際に知っておいていただきたい5つのポイントをご紹介します。


具体的には、気候や法規制といった地域の特性から、土地選び、家族構成への配慮、パートナー選びに至るまで、注文住宅を成功させるために欠かせない視点をまとめています。


5つのポイント

地域の風土と気候を設計に活かす

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岸和田は、海と山に囲まれた自然豊かな場所である一方で、湿度の高い夏や、冬には大阪湾からの冷たい風が吹きつける気候でもあります。そうした地域特有の気象条件を読み取って設計に反映させることが、快適な住まいをつくるうえで非常に重要です。


たとえば《庭とつながる家》では、南側に大きく庭をとり、深い軒をかけることで、夏の強い日差しを遮りながらも、冬のやわらかな光は室内へと取り込めるように設計しています。また、風が抜けるように開口部を南北に配置し、自然な通風が確保できるよう工夫をしました。自然の力を活かす設計は、光熱費の削減にもつながり、結果的に環境にも家計にも優しい家となります。


その土地の「季節の空気感」を読み取り、どの方角から光や風が入り、どこが冷えやすいのか、雨はどう流れるのかといった要素を丁寧に整理することが、快適な暮らしを実現する第一歩です。


建築制限や地域条例に注意

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注文住宅の計画において、敷地ごとに異なる建築基準法や都市計画法上の制限を把握することは欠かせません。岸和田市では、第一種低層住居専用地域や準防火地域に指定されているエリアも多く、建ぺい率・容積率・高さ制限・外壁後退距離などの条件により、設計の自由度が左右されるケースもあります。


岸和田市の場合、景観条例は比較的緩やかですが、特に注意が必要なのが準防火地域への対応です。準防火地域では、延焼のおそれのある部分(隣地境界線または道路中心線から3m以内の範囲)に防火性能のある外壁や開口部が求められます。


《春木旭町の家》は、駅に近い準防火地域に立地しており、開放感のある大開口を実現するために、延焼ラインを避けた配置計画としました。開口部を延焼ラインの外に計画することで、防火設備に頼らずに大きな窓を設けることができ、コスト面でも有利になります。


また、この家は2面道路に面した角地にあり、プライバシーの確保と外観デザインの両立が課題でした。そこで、ウッドデッキや前庭を少し奥まった位置に配置し、道路からの距離感を持たせることで、視線をやわらげながら建物に奥行きを与える構成としました。


こうした制限は一見ハードルにも思えますが、制約をうまく活かすことで個性的で魅力的な住まいに仕上げることも可能です。事前に行政と十分に協議を行いながら、柔軟に対応できる設計とすることが大切です。





土地選びは“暮らし方”から考える

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岸和田という土地には、全国的にも知られる「だんじり祭り」があり、地域のつながりやご近所との交流を大切にする風土があります。そのため、家づくりにおいても、「どんな家に住みたいか」だけでなく、「この地域でどんな暮らしを送りたいか」という視点がとても重要です。


岸和田では、実家の建て替えという形で家づくりをスタートされる方も多く、敷地の広さや周辺環境がある程度決まっている場合も少なくありません。そんな中でも、暮らし方をベースに計画することで、たとえ限られた条件でも満足度の高い住まいを実現することができます。


たとえば《仲間が集う「よりあい」の家》は、17坪という狭小地に建つ実家の建て替え事例です。周囲を家々に囲まれただんじり小屋にほど近い立地で、建築主ご本人もだんじり祭りに参加されており、祭り仲間が頻繁に訪れるという暮らし方が前提にありました。




そこで、2階に南側道路に面した大きな開口を持つワンルームのLDKを設け、明るく開放的な集いの場をつくりました。1階には水回りと和室、3階には個室を設け、自然光を取り込む階段でそれらの階をつないでいます。LDKにはステップを設けて床に段差をつけ、座卓、組み立て式のテーブル、キッチンというそれぞれの居場所にいる人の目線の高さを揃えることで、空間全体が一体感のある“よりあいの場”となっています。


また、バルコニーに向かって天井の高さを変化させることで、限られた広さの中にも豊かな空間の広がりを感じられる設計としました。


このように、「自分たちがこの場所でどう暮らしたいのか」を軸にして土地の条件を読み解いていくことで、狭小地であっても、密集地であっても、暮らしに合った快適な住まいをつくることが可能です。


将来を見据えた間取りの工夫

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家づくりは今の暮らしだけでなく、5年後、10年後、20年後を見越して計画することが重要です。特に岸和田では、盆や正月に親族が集まる文化や、親世帯との同居を見据えるケースも少なくありません。そうした将来を見据えた柔軟な住まい方に対応する設計が求められます。


《磯上町の二世帯住宅『緑青の家』》は、親世帯と子世帯がそれぞれ独立した生活空間を持ちながらも、家族の絆を感じられる完全分離型の二世帯住宅です。


親世帯の空間は、既存の松が美しく映える庭に面したLDKを中心に構成されており、開放的でありながら落ち着きのある空間を提供しています。LDKに隣接する和室は、障子戸で仕切ったり、開放して一体化したりできる構成とし、来客時や親族が集まる際に柔軟に使えるように計画しました。特に盆や正月といった季節の節目には、多くの家族が集い、温かな時間を共に過ごす場所として機能します。



また、玄関まわりにも工夫があります。来客用の格子戸と日常使いの玄関を併設することで、使い分けがしやすくなり、訪れる人を丁寧に迎える和の趣が空間に落ち着きを与えています。




一方、二階に計画された子世帯は、シンプルな空間構成の中に豊かな広がりを感じさせるデザインとしています。勾配天井を活かして縦方向の広がりを確保し、大きな開口部から光と風を取り入れることで、実面積以上の開放感を感じられる空間となっています。


また、親世帯の住まいには、金属加工業を営む施主のこだわりが随所に反映されています。屋根には緑青色の銅板葺きを採用し、和室の床の間には緑青の金属塗装が施され、素材の持つ風合いを活かしたデザインが空間に独自性を与えています。


このように、『緑青の家』は、独立性と快適性を両立しながら、家族の関係性や暮らしの変化に柔軟に対応することを目指しています。ハイサイドライトや大きな窓から取り込む自然光と風が、日々の暮らしに心地よさをもたらし、四季の移ろいを感じられる住まいを実現しています。


和の伝統と現代的なデザインが融合し、時間とともに味わいが深まっていく。『緑青の家』は、そうした二世帯住宅のあり方を形にしたひとつの答えです。


地元の建築家と信頼関係を築く

注文住宅のプロセスは、土地探し、設計、施工、完成、そしてその後のメンテナンスまで、長期にわたります。その中で、信頼できるパートナーと出会えるかどうかが成功の鍵になります。


地元の建築家は、地域の気候や法規制、施工業者の特性まで把握しており、設計段階から施工、現場監理に至るまで一貫して寄り添うことができます。I Live|田辺弘幸建築設計事務所では、土地の調査から法的確認、プランニング、素材選び、現場でのやりとりまで一つひとつ丁寧に行っています。ときにはお施主さまと一緒に現場に立ち、想像を超えた空間に仕上がるよう工夫を重ねています。


「相談してよかった」「お願いして安心だった」と思っていただけるような関係づくりを心がけていますので、家づくりを本格的に考え始めた方は、ぜひお気軽にご相談ください。


注文住宅は、正解がひとつではないからこそ、丁寧に選び、考え、つくり上げる喜びがあります。 その場所で、どんな風に暮らしたいか。 家族がどのように成長していくか。 そうした思いをかたちにするパートナーとして、これからも一つひとつの出会いを大切に設計していきたいと思います。


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I Live|田辺弘幸建築設計事務所

田辺 弘幸(たなべ ひろゆき)
昭和56年12月12日生まれ
一級建築士
大阪府岸和田市生まれ


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