平日の午後、ふらっと万博へ。建築と空間を味わう時間

query_builder 2025/04/26
ブログ

みなさん、こんにちは。大阪、岸和田、南大阪、和歌山を拠点に『住まいに愛着を』をコンセプトに、住まうごとに味がでる家づくりを目指している I Livel田辺弘幸建築設計事務所の田辺です。



先日、平日の午後に少しだけ時間をつくって、大阪・関西万博へ足を運んできました。電車で向かいましたが、平日ということもあり会場は比較的空いていて、入場にも並ばずスムーズ。ふらっと立ち寄るような感覚で、気軽に楽しむことができました。


会場は、海に囲まれた立地を活かし、「海」と「空」を感じられるデザインが随所に取り入れられています。


まず目に飛び込んできたのが、会場の中心をぐるりと囲むように架けられた巨大な木造のリング。藤本壮介氏が基本設計を手がけた〈大屋根リング〉で、約2kmにわたる円環状の主動線に沿ってパビリオンや広場が配置されています。


「多様でありながら、ひとつ」という考え方のもと、さまざまな建築や空間が緩やかにつながり、ひとつの大きな風景を形づくっていました。

巨大な木架構が水平に広がり、自然と人工の境界を曖昧にするような佇まい。 上部は展望デッキとしても整備され、歩く人々の姿が遠くに点描のように浮かび上がり、建築と風景が一体となった印象的な景観をつくっていました。




リングの内側には特徴的な海外パビリオンが並びます。 まるで、リングの中に世界が凝縮されているかのような景色が広がり、それぞれの国の文化や未来へのビジョンが、建築として力強く表現されています。



待たずに入ることができたのは、サウジアラビア館。 建築設計はフォスター アンド パートナーズが手がけています。 パビリオンは、砂漠の中に生まれた都市を彷彿とさせるような空間構成になっており、迷路のように入り組んだ路地や、静かに広がる中庭が連続し、自然と建築が溶け合うような独特のリズムを生み出していました。



視線を上げれば、切り取られた空がさりげなく顔をのぞかせ、自然と人との距離感を意識させられます。



さらに、細部までこだわりが感じられ、たとえば勝手口の扉にまで伝統文様をあしらった繊細な意匠が施されていました。 大スケールのダイナミズムと、ディテールに込められた物語性とが共存する、非常に完成度の高い空間体験でした。



また、アゼルバイジャン館やバーレーン館など、他の海外パビリオンもそれぞれに独自の建築言語を持ち、文化や風土を象徴するデザインが随所に見られました。



短い時間のなかでも、世界の多様な空気を体感できる貴重な時間となりました。


海外パビリオンを巡った後は、会場の中心部へ。


そこには、国内クリエイターたちが手がけたシグネチャーパビリオンが配置されています。 それぞれが「いのち」をテーマに、独自の世界観を展開しており、海外パビリオンとはまた違った深い体験が待っています。



今回は事前予約をしていなかったため、運よく空いていた河瀬直美館〈Dialogue Theater - いのちのあかし -〉に入ることができました。 プロデュースは河瀬直美氏、建築デザインは周防貴之氏が担当しています。


このパビリオンは、奈良県十津川村と京都府福知山市から、廃校となった2つの木造校舎を移築・活用して構成されています。ただ単に校舎を移設するのではなく、現代的な感覚で空間が再構成されているのが大きな特徴です。 かつての記憶を引き継ぎながらも、新たな対話の場として生まれ変わらせることを目指した設計がなされています。


中央には、本来なら伐採されるはずだったイチョウの木が、丁寧に養生・移植され、シンボルツリーとして据えられています。 また、かつて校舎の壁に絡んでいたツタも、建物とともに移植され、年月の重なりをそのまま空間に持ち込んでいます。


エントランス棟(ホワイエ)、対話シアター棟、記憶の庭、森の集会所といった構成が、イチョウの木を囲むように展開され、 それぞれが静かに語りかけるような存在感を持っていました。


にぎやかな万博会場のなかで、ふと立ち止まり、「いのち」と向き合う特別な時間を過ごすことができる場所です。


また、今回訪れることができなかったパビリオンもありました。



落合陽一館「nul2」は、身体性をテーマにした展示が展開されているとのことで、事前予約が必須。 次回はぜひ予約をして、体験してみたいと思います。


さらに、中心部の「静けさの森」には、宮田裕章さんによる「Better Co-Being」館も設けられています。 建築設計はSANAA(妹島和世+西沢立衛)。繊細なディテールで構成された、自然と共鳴するような建築です。 こちらも事前予約が必要なため今回は体験できませんでしたが、森のなかにひっそりと佇むその建築の佇まいだけでも、強い印象を残しました。 次回はぜひ、中に入り、体感してみたいと思います。


夕方に近づくにつれ、会場の雰囲気もまた大きく変わっていきました。
水辺に映り込む木造リングの大きなフレーム、徐々に灯り始めるパビリオンの明かり。建築と自然が静かに溶け合い、昼間とはまた違った美しい風景を見せてくれます。


夜には、中央の水盤で行われる「アオと夜の虹のパレード」にも立ち寄りました。 色とりどりに変化する噴水と光の演出は、幻想的で、まるで夜空に虹がかかるかのようなひとときでした。 静かに広がる水面に、光と音が重なり合い、建築そのものが舞台装置の一部となって物語を紡いでいるようでした。


今回は午後からふらっと訪れた短い滞在でしたが、それでも十分に建築と空間を味わい、心動かされる体験ができました。


事前予約が必要なパビリオンもありますが、建築好きにとっては、ふらっと立ち寄るだけでも多くの発見と感動がある万博だと感じます。


また時間をつくって、今度はもっとじっくり、建築と対話するように巡りたいと思います。

----------------------------------------------------------------------
----------------------------------------------------------------------

I Live|田辺弘幸建築設計事務所

田辺 弘幸(たなべ ひろゆき)
昭和56年12月12日生まれ
一級建築士
大阪府岸和田市生まれ


設計事例はこちらをご覧ください


大阪・岸和田の設計事務所 I Live | 田辺弘幸建築設計事務所は、『住まいに愛着を』をコンセプトに、住まうごとに味がでる家づくりを目指しています。
お問合せはメール、電話等でお気軽にご連絡お願いします。
------------------------------------------------------------------------------
I Live | 田辺弘幸建築設計事務所

電話番号 072-447-5330
営業時間 9:00~17:00
定休日  土・日・祝(打合せは可能です)
大阪府岸和田市磯上町6-12-11
ilive.arch@gmail.com
インスタグラムはこちら←Follow me!
------------------------------------------------------------------------------


----------------------------------------------------------------------

NEW

VIEW MORE

CATEGORY

ARCHIVE

TAG