HAGISOの10年が凝縮した書籍『最小文化複合施設』読了

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みなさん、こんにちは。大阪、岸和田、南大阪、和歌山を拠点に『住まいに愛着を』をコンセプトに、住まうごとに味がでる家づくりを目指している I Livel田辺弘幸建築設計事務所の田辺です。

昨日は移動時間が多かったので、書籍『最小文化複合施設 たまたま住んだ一軒のアパートからはじまる、東京・谷中の物語』を読みました。この本は、東京・谷中にある「HAGISO」という建物から生まれた多彩な文化活動の10年間を記録した一冊です。もともとアパートだった建物をカフェやギャラリーへとリノベーションしたことをきっかけに、周囲の空き家にもその活動が広がり、街全体を巻き込むプロジェクトへと発展しました。宿泊施設や飲食店の運営を通じて、地域との深い関わりの中で進化し続けるHAGISO。その姿が、豊富なエピソードを通じて生き生きと描かれています。

特に印象的だったのは、HAGISOがただの施設ではなく、「文化を醸成する場」となっている点です。建物が取り壊される直前に開催された「ハギエンナーレ」というお別れイベントをきっかけに、地域の文化を育む場として再生されました。この再生は、著者が東京芸術大学大学院で建築を学び、建築とアートの視点を持っていたことが基盤となっています。物理的な空間のリノベーションにとどまらず、そこに新たな文化を吹き込む試みは、建築が持つ可能性を広げるものでした。

また、この本は成功事例だけでなく、活動を続ける中で直面した課題や困難についても率直に語られています。運営資金や地域との関係、建物管理の難しさなど、現実の苦労を一つずつ乗り越えるプロセスが描かれ、活動の「リアル」が伝わってきます。

さらに、この書籍の装丁もとても素敵です。内容に合わせて選ばれた様々な紙、袋とじに隠された特別な情報、そして萩の葉で草木染めをした栞紐など、細部までこだわり抜かれたデザインが施されています。このような装丁からは、HAGISOが空間や印刷物、備品に至るまで細部に気を配り、独自の理念を徹底していることが垣間見えます。

本書は、地域と建築、そして文化の繋がりを考える上で多くの示唆を与えてくれる一冊です。建築がただの物理的な空間に留まらず、人々とともに新たな価値を紡ぐ場となる可能性を教えてくれるHAGISOの物語は、多くの学びを与えてくれます。


『最小文化複合施設 たまたま住んだ一軒のアパートからはじまる、東京・谷中の物語』

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I Live|田辺弘幸建築設計事務所

田辺 弘幸(たなべ ひろゆき)
昭和56年12月12日生まれ
一級建築士
大阪府岸和田市生まれ


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