みなさん、こんばんは。大阪、岸和田、南大阪、和歌山を拠点に『住まいに愛着を』をコンセプトに、住まうごとに味がでる家づくりを目指している　I Livel田辺弘幸建築設計事務所の田辺です。

海南の家のダイニングスペースは、設計段階から「こもり感」と「開放感」の両立を目指しました。玄関からホールを抜けた先に現れるこの空間は、家族が自然と集まり、落ち着いて食事や会話を楽しめる居場所として機能するよう設計されています。

吹き抜けの高い天井から差し込む柔らかな光が、このダイニングに明るさと広がりをもたらします。一方で、空間自体を少し奥まった配置にすることで、広がりの中にも安心感やプライベート感を感じられるよう工夫しました。これにより、開放感がありながらも、どこか包まれるような「こもり感」のある空間が生まれています。

また、ダイニングの位置はリビングや庭とのつながりを意識し、視線の抜けを重視しました。窓越しには庵治石積の庭や百日紅の木があり、室内からも自然を感じられる設計としました。ただし、景色が外に広がりすぎると落ち着きを失う可能性があるため、窓や壁の位置を慎重に調整し、視線を選び取ることで居心地の良さを確保しています。

キッチンとの動線も、日常の使い勝手を考慮しながら、家族やゲストが自然と交流できる空間づくりを意識しました。海南の家のダイニングは、住まう方の日常を包み込みながら、心地よい広がりを提供する「拠り所」となるようデザインしています。