少し前に「六甲枝垂れ」を見学しました。六甲ガーデンテラス内にある自然体感展望台。「第１回　ＪＩＡ　ＫＩＮＫＩ　Ｕ－４０設計コンペティション」で選ばれた作品です。設計は、犬島アートプロジェクト「精錬所」などを手がけられている三分一博志氏。

この建築は展望台なのですが、ただ景色を眺めるという類のものではありません。六甲山上の自然（太陽、光、風、気温、星空、雨、樹氷など）を体感するため様々な仕掛けが設計されています。
スチールのパイプと檜の棒でつくられた「枝垂れ」は冬場氷に包まれた幻想的な空間をつくります。中央に設けられた風室では、六甲の風や空を体感することができます。正直景色はあんんまりですが、自然の力を体感できてなかなか良かったです。

晴れの日も雨の日も、夏でも冬でも、昼でも夜でも、いつ行っても違った体験ができる面白い建築だと思います。

ドーム状の枝垂れと中央の風室、その間には景色を眺めるスロープが設けられています。手前の氷棚で冬場氷をつくり、地下の氷室にいれて夏場風室を冷やすのに利用しているそうです。

風室には氷室を通った冷たい空気が出てくる椅子や、溶けた水が溜まる水盤が設けられています。上部は穴はガラスが入っておらず、風が抜けていきます。

枝垂れの素朴なディテール。メンテナンスは大変そうです。