みなさん、こんばんは。
大阪、岸和田、南大阪、和歌山を拠点に「住まいに愛着を」をコンセプトに、住まうごとに味わいが増す家づくりを目指している I Live｜田辺弘幸建築設計事務所の田辺です。

日が暮れてからの住まいには、昼間とはまた違う魅力があります。
仲間が集い、語らい、ゆっくりとした時間が流れる「よりあいの家」のLDK。
夜になると、階段室から漏れるやわらかな光と、ていねいに計画された照明が、落ち着きのある空間をつくり出します。

この住まいでは、天井中央にライティングレールを設け、スポットライトで照らすように計画しています。空間全体を均一に明るくするのではなく、必要な場所にだけ光を落とすことで、陰影のある豊かな表情が生まれます。リビングにはくつろぎの光、ダイニングには会話を照らす光。それぞれに役割をもたせながら、光が自然に居場所をつくり出します。

また、ダウンライトは全体に分散せず、必要な箇所に集中的に配置しています。余白を生かした光の設計により、空間に「間」が生まれ、より落ち着いた雰囲気が感じられます。照明の色温度は電球色で統一し、やわらかな光が無垢材のテーブルや床、壁の質感を引き立て、素材のあたたかみが際立つ夜の表情を生み出しています。

ライティングレールに取り付けたスポットライトは調光可能とし、時間帯や過ごし方に応じて明るさを調整できるようにしました。最近では、調光・調色が可能な照明器具が比較的手頃な価格で入手できるようになり、ライトコントローラーを導入するケースも増えています。家族だけの静かな夕食と、仲間が集うにぎやかな夜では、光の量も色もふさわしさが異なります。その切り替えができることは、暮らしの快適さに大きく寄与します。

光を単なる「明るさ」ではなく、空間をかたちづくる大切な要素として設計することで、日常の中に豊かさが生まれる。
「よりあいの家」の夜のLDKには、そんな思いが込められています。

▶ この住まいのその他の写真や設計の詳細は、
ギャラリー「仲間が集うよりあいの家」 からご覧いただけます。
昼の風景や外観などもぜひ併せてご覧ください。