建築家の仕事（監理編）

今日は監理についてまとめてみたいと思います。

工事監理は建築士法第2条第8項に規定される建築士の独占業務であり、法文には「・・・、工事を設計図書と照合し、それが設計図書のとおりに実施されているかいないかを確認することをいう。」と記載されています。つまり、工務店やゼネコンなどの施工者が行っている工事が、きちんと設計図書の通りに行われているかをチェックすることが、工事監理だということです。

さらに、チェックした結果、その工事が設計図書の通りになっていない場合は、施工者への指摘、是正指示を行うこと、それでも施工者が指示に従わない場合は、建築主への報告を行うこと、が定められています。

工事がはじまってから終わるまでの工事内容のチェックだけではなく、施工者の選定から、見積比較・査定、予算に対する工事費の調整、工事請負契約の内容の精査、工事中の明細のチェック、工事の追加変更の対応など、建築主が行うべきことはたくさんあります。それらを建築主の代理人としてプロジェクトを総括しながら施工者との協議・調整を行うのが監理者であり、その業務が監理と呼ばれます。

工事監理も含めて監理業務を行う建築士は、建築主（工事の発注者）の代理人であり、工務店やゼネコンなどの施工者とは切り離された第三者であるということです。第三者が監理することで、チェック機能が働き適切に工事を進めることができます。

建築家の仕事は設計業務に目がいきがちですが、この監理者としての業務もとても意味がある仕事です。納得がいく建築づくりにぜひ建築家の職能を活かして頂けばと思います。

それでは、良い１日を!