建築探訪「鈍考donkou／喫茶 芳 Kissa Fang」

ブックディレクター幅允孝氏が主宰する私設図書室と喫茶「鈍考donkou／喫茶 芳 Kissa Fang」。建築家の堀部安嗣氏設計です。設計中の物件に本棚があるので、参考になればと思い伺いました。

ファサードは切妻のヴォリュームの前に大きく軒を出した下屋がある構成です。いぶし銀の瓦、黒い木部に白い漆喰の壁が映える凛とした外観です。軒下空間は待合にも使われます。すごく雰囲気のある佇まいです。

アプローチは大谷石。大きな看板はなく、銅板で造られた小さなサインがさり気なく存在感を放っています。

内部に入ると約３０００冊の蔵書と檜林が出迎えてくれます。ロッカーに荷物とスマホを預け、素敵な本と過ごす時間は格別です。

席は自由席になっていて、中央の畳の間、や椅子、縁側などでそれぞれの時間を過ごします。森との境界のつくり方も素敵。

丁寧な手仕事により造られたとても静かな空間で木々の音、鳥のさえずりを聴きながら思考を巡らせる。珈琲とプリンも美味しくなんとも贅沢な時間でした。凛とした美しい空間を造るには、細部までこだわり余計なものが目に入らない設計と、それを実現する丁寧な手仕事が必要ですね。

〈京都分室 鈍考／喫茶 芳〉

1枠90分の予約制。週4日営業。1枠最大6名、1日3枠。施設使用料とコーヒー1杯で1人2,200円。

「鈍考donkou／喫茶 芳 Kissa Fang」

では今日はこのへんで。良い１日を!

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