建築探訪『海南市庁舎』

みなさん、こんにちは。I Live|田辺弘幸建築設計事務所の田辺です。

昨日、敷地の法令調査のため、海南市役所を訪れました。もともとあったＲＣ5階建ての建物を耐震補強し、一部を増築して外観、内観ともに一新したデザインで、機会があればぜひ行ってみたいと思っていた建築です。設計監理は日建設計。

この建築の特徴は、既存のビルをＲＣのアウトフレームにより耐震補強しながら、増築部分のデザインも統一感を持たせることで、コンクリート打ち放しを基調としたデザインとして一新しているところかと思います。通常耐震補強だと壁による補強や鉄骨のブレースなどによる補強により眺望が損なわれることが多いのですが、この建築では、アウトフレーム構造を採用することで建物からの視界を遮ることなく耐震補強に成功しています。また、周囲への眺望は建物のいたるところで重視され、空間の抜けを設けることで周囲の豊な緑が感じられる空間になっています。

これは、既存部と増築部の取り合い部分である市民ホール。アウトフレームがアクセントになりながら、建物と建物の間の大開口から周囲の豊な緑が感じられる開放的なホールになっています。とても既存の建物をリノベーションしたとは思えない、秀逸な空間です。すがすがしく気持ちが良い空間でした。